クルーズの夜、私は好きな人とともにデッキに出て、広がる海を見つめながら並んで歩いていた。波の音が静かに響き、遠くの灯台の光がゆらゆらと揺れていた。空には満天の星が広がり、風が肌を撫でるように通り過ぎる。これから先、私たちはどんな未来を歩んでいくのだろうか――そんな気持ちを抱えながら、言葉を交わすことなく、ただ隣にいるだけで心が温かくなっていった。
好きな人は、少し恥ずかしそうに微笑みながら、私に話しかけてきた。「こうして一緒に旅行してると、すごく幸せだね」その言葉に、私は思わず心が躍るような感覚を覚えた。「うん、私もだよ」と答えると、彼は少し驚いたように見て、さらに顔を赤くした。普段は照れ屋な彼が、こんな風に素直な気持ちを言葉にするのはとても新鮮だった。
ふたりで海を見ながら、しばらくの間、ただ無言で歩いた。その静かな時間が、心地よく感じられた。こんな素敵な時間がずっと続けばいいのに、と思いながらも、船が進む先には終わりが待っているのを感じていた。この旅が終わった後、私たちの関係がどう変わるのか、少し不安な気持ちもあったけれど、今この瞬間がとても大切だと感じていた。
その時、好きな人が急に立ち止まり、私の方を見つめた。「これからも、ずっと一緒にいられるといいな」彼の言葉に、私は心が震えるような感覚を覚えた。答えることができないまま、ただ彼の瞳を見つめることしかできなかったが、その瞳の中に確かに未来が映っていることを感じ取ることができた。
その後も私たちは、デッキでの時間を楽しんだ。途中で他の乗客が通り過ぎていくのを見ながら、私たちだけの時間を大切にし、何度も何度もその瞬間を心に刻んだ。風に吹かれながら、夜空の星を見上げると、心の中で「これからも一緒にいられますように」と願いが込められた。
クルーズが終わり、船が港に戻るとき、私たちは最後のひとときを過ごすことにした。普段なら言えないことも、この旅の終わりに向けて素直になれる気がして、私は彼に自分の気持ちを伝えることができた。「ありがとう、こんな素敵な時間を一緒に過ごしてくれて」彼は少し驚いたように私を見て、そしてにっこりと笑った。「こちらこそ、楽しかったよ」
クルーズの思い出は、私たちの未来への第一歩だった。そして、この時間は私にとって一生忘れられない、かけがえのない思い出となった。
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